投稿日時 2011-9-11 12:41:17 | トピック: 









☆グルーブを語るまえに

グルーブはとても奥が深く、一言では語り尽くせないというのは、私だけではなく誰もが思うことでありましょう。いまだかつてグルーブをこうだと定義したという話は聞いたことがありません。グルーブを定義するなんて自分にはおこがましいのかもしれないと自問自答もしました。しかし、ここでは勇気をもってはっきりとグルーブを定義したいと考えています。
そもそも音楽を言葉で語るということがとてつもない難しさを含んでいるので、誤解や勘違いをされる可能性もあるかもしれません。本来なら音楽には言葉はいりません。音楽を聞いて感じていられればそれで十分であると言われれば、そうかもしれません。しかし、歴史的には音楽に理論が後付けされてきたように、そろそろグルーブも理論付けされてもいい頃だと思うのです。

私は仕事として多くのドラマー達を指導してきました。その中には有名プロドラマーのかたもいますし、ドラム講師の方もいらしゃいます。もちろんドラムが好きなアマチュアの方もたくさんいらっしゃいます。教えているだけでなく、さまざまな場所で演奏活動もしています。そういった活動をバックボーンにしているドラマーとして、責任をもって公開します。

この定義が、みなさんにグルーブとは何かを感覚としてつかむヒントなるならこれに勝る喜びはありません。
では、結論からお伝えしましょう。



☆グルーブの定義(2015.2 一部修正)

グルーブとは、テンポを変えずに感じる音楽的なスピードのことです。



これだけを読んでなんのことだがわかる方は、かなり鋭い方であろうと思います。大抵の場合は、なんのことだろうと疑問を抱くかもしれません。しかし、グルーブとは何かを煎じ詰めれば、このひとことになると思います。


また、グルーブは様々に分類できます。
一つの分け方に縦ノリ横ノリがあり、もう一つの分け方に8フィール 16フィール シャッフルフィール などがあります。

では、縦ノリとはどのようなグルーブでしょうか?また、横ノリとはどのようなグルーブでしょうか?ここでは主にグルーブに対する自分の感じ方を明確にして、その理論をみなさんと共有したいと考えております。現在の業界では縦ノリ横ノリに対するしかりした理論が提示されておりません。これもグルーブに対する定義と同じく、しっかりとしたものを提示したいとおもいます。

8フィールには縦ノリと横ノリの2つが存在しているのでその違いを探ってみましょう。



☆縦ノリの定義

縦ノリとは音符をひとつひとつ独立させて生みだすグルーブです。



縦ノリのグルーブは、音同士のつながりを無くし、一つ一つを独立させることで推進力を生み出そうとします。音符の独立は、音量と音質をなるべく均一にすることや、感覚的に音を短くしていくことで促すことができます。リズムパターンの場合はハイハットの音質をうまく利用して、音の短さを表現すれば、縦ノリのグルーブはスピードにかかわらず、たちどころによくなることでしょう。
縦ノリは、ロックやメタルなどのジャンルで聴くことができます。主にアップテンポな曲が多くみうけられます。

横ノリが好きな人達からは、音符のつながりを切るとグルーブがでなくなるという意見を聞くことがありますが、横ノリのグルーブの中で突然音符を切ってハッとさせるアレンジがあるので、縦ノリにおいても求めているものはスピード感であると考えられます。そういう意味でやはりグルーブの中に分類すべきであるとおもいます。


では横ノリはどうでしょうか?




☆横ノリの定義


横ノリとはバックビートのシンコペーションで生みだすグルーブです。



バックビートは、2拍•4拍にあるスネアが有名です。ジャズにおいてはハイハットがその役割を担っています。
バックビートはそれだけであれば、シンコペーション(シンコペート)していないことが多く、それゆえにグルーブをよくすることができないでいる方は多いと思います(シンコペーションの意味はわかりますか?俗にクウといわれるアレンジのことです)。

2・4は拍のアタマでありシンコペーションできない?

シンコペーションは音楽的には弱拍を強拍にすることであるとされています。ひらたく言えば、弱いところを強くすることです。拍の裏を強調するとシンコペーション独特の推進力が出てきますよね(一つの拍の中をふたつに分けるとすれば、前の音が強、後ろが弱となります。このように拍をいくつかに分割している状態をサブディビジョンといいます)。横ノリは音符のまとまりをつくって表現するという特徴がありますが、それはそもそもシンコペーションは音符のまとまりがなければ存在できないということにその理由があることがわまります。注意してほしいのは、バックビートは2・4拍であり、拍の表なのでシンコペーションできないはずだと考えてしまうのは早計であるということです。シンコペーションは8分ウラや16分ウラにだけあるのではありません。2・4拍は4分音符では拍の表でも、2分音符でとらえるとその音符のウラにあたります。その部分を強調するのはれっきとしたシンコペーションにあたりますよね。あまりいわれていませんが、4分ウラのシンコペーションといえますね。

ワン(1)がすべてという言葉について。

ワンが全てという言葉の真意は、一拍目を強く出すことでも、その音符を長くすることでもありません。一拍目を意識しすぎて音量をそこだけ大きく出してしまったら、横ノリの中心感覚であるバックビートをシンコペーション(シンコペート)させられなくなります。そうなってはかえって逆効果になります。バックビートを意識するということは同時に小節の頭を意識することになるので、わざわざ一拍目を強く音を出す必要はないのです。なぜなら、バックビートは2・4拍のことなのですから、2拍目を2拍目として意識するということは、当然1拍目は意識しているはずですよね。例え音が出ていないとしても、1拍目を出ていない音として認識しているはずです。そういう意味でワンは最も大切であると考えるということが重要です。


タイミングがよれているからいいグルーブだという意見について。

横ノリを強くしていくとタイミングはヨレやすいのです。なぜだかおわかりでしょうか。以前にリズム感を良くする話をしたことがあると思います。その理由は洗練された横ノリを出していくためには、音符をまとめていくので、ある意味で、この感覚の反対を行うことになるからです。簡単に復習するとリズム感を良くするには、ある音符と音符の間を叩ける様にすればよいのです。一方、横ノリの核心は、バックビートをシンコペートさせることにあります。このシンコペーションの強さが横ノリの強さになり、シンコペーションが強ければ、横ノリの感覚も強くなるということです。ではシンコペーションはどうすれば強くなるのでしょうか?それは、音符のまとまりを大きくを作ることでそれを強くすることができるのです。ただ、そのまとめ方を間違えると逆効果になるので、そのまとめ方はとても重要です。

タイミングがよれているからいいグルーブであるというのは、残念ながら間違いです。それはピカソの絵は写実的にうまくない、だから下手に書けばピカソになれる、といっているのと同じなのです。バックビートをシンコペーションさせようとするあまり、タイミングが甘くなってしまうだけであり、よれているからいいグルーブだと考えるのは、残念ながら、グルーブの本質をとらえていない人の意見であると言わざるをえません。惑わされないように注意しましょう。当然のとこですが、タイミングが正確であってもよいグルーブを生み出すことは可能なのです。大切なことはバックビートをシンコペーションさせるという感覚です。



実際にブルーブでお悩みの方ぜひ、無料体験レッスンをお受けになってみてください。
あなたのグルーブはその場でたちどころによくなるでしょう。これは本当のことです^^;

hiromu@drumlesson.cc







にて更に多くのニュース記事をよむことができます
http://www.drumlesson.cc

このニュース記事が掲載されているURL:
http://www.drumlesson.cc/modules/news/article.php?storyid=164